東洋経済に「米国株「S&P500」への妄信は今後リスクとなる訳」という記事が掲載されていました。
楽天証券総合研究所の山崎元氏と堀江貴文氏の共著「決定版! お金の増やし方&稼ぎ方」の内容から抜粋されたものです。
山崎元氏は以前からオールカントリー(以下オルカン)が91点、S&P500は82点くらいと仰って、悪くないという印象でしたが、薦めないという表現は初めてだったので、多少驚きました。
S&P500には管理人がメインで投資しているので、気になった箇所を抜粋したいと思います。
「S&P500」への妄信は今後リスクとなる
米国経済は、
- 米国企業は世界中でビジネスをしている
- 米国企業には世界中から金が集まってくる
- 米国企業は株主優先の経営もしている
といった理由もあり、ここ20~30年は好調に推移していますが、「ここ20~30年という区切られた期間」という点に注意が必要ということです。
過去の株高は今後の株高を約束しない
投資されている人にとっては、既に分かっていることですね。
米国の株式市場の歴史は約200年、そのうち重なりのない独立した40年間を抽出すると、5回しかなく、まだサンプルが少ない。
そのため、今後も米国株式市場が伸び続けると判断するのは統計的に難しいとのこと。
また、米国一国に集中的に投資することで、投資の原則である「分散投資」が難しくなります。
たとえば、米国の経済政策や税率、規制が変わると、米国株だけが大きな影響を受けるリスクがあります。
もし、S&P500をけん引するGAFAM等のBIG TECHに対する規制が厳しくなると、影響が大きくなるでしょう。
そう考えると、米国株だけに投資するよりは、米国株を含む全世界に投資したほうが良いと思います。
機関投資家も米国一国から全世界へ
米国の年金基金などのプロの投資家たちも、「米国オンリー」から「全世界」へ分散投資するように変わってきました。
プロの投資家が実践することに逆らう必要はないので、一般的に考えれば全世界株式へ投資するほうが良いでしょう。
なお、「株主優先の経営」は、聞こえが良いが「株価を上昇させる財務政策的なポテンシャルを使い切った」状態でもある。自社株買いを行うと資本がスリムになり、株価は上がりやすくなる。近年の主要なアメリカの大企業を見ていると、自社株買いをやり尽くした感がある。
考えようによっては、「ムダがあるけれども、ムダを取ることで改善の余地がある」といった企業の株式にチャンスがある。ゲームとしての投資は「変化」に賭ける行為だ。「現在の優等生」を買うよりも、「劣等生の将来の改善の可能性」を買うほうがいい場合がある。
「グロースよりバリュー」ということですね。伸びしろのある国家・企業に投資した方がより儲かるかはわかりませんが、好みにもよりますね。
優待も良いですが、日本も自社株買いによる株主還元があっても良いと思います。
S&P500メインの考えは変わらない
管理人は現在でもS&P500メインで積立投資しています。
その理由は
- 目標資産額への到達をリスク許容の範囲内で少しでも早めたい
- 米国企業は世界中でビジネスを展開している
- オルカンの60%は米国への投資である。オルカンも米国と一蓮托生
-
バフェットの遺言で「資産の90%をS&P500に投入せよ」と話している
というものです。
S&P500への投資が悪い訳でもなく、個別株よりは十分分散されてるので20~30年後には元本割れする確率も低いでしょう。
(NYダウは30銘柄なので、分散としてはかなり弱い)
S&P500とオルカンはステーキ単品とステーキ定食の違いみたいなもの
S&P500とオルカンは、ステーキ単品とステーキ定食のような関係です。
オルカンのステーキ定食の場合、
- ステーキ・・・米国株
- ジャガイモ・・・欧州株
- コーン・・・新興国株
- ニンジン・・・日本株
といったイメージです。結局、ステーキ定食に対して満足度を決めるのは、ステーキです。
でも、「ステーキばかり食べ続けると、栄養バランスが気になる」という観点からも
オルカンのほうがバランスが良いのは間違いないです。
以上から、管理人自身は今のところS&P500中心ですが、人にはオルカンを薦めています。
オルカンに乗り換える場合でも、今までS&P500に投資した分は売却せず今後の投資分を変更する予定です。
特につみたてNISA枠で投資されている方は、売却すると非課税枠が戻ってこないので、極力今後の投資分のみ変更するようにしましょう
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