信託報酬最安値クラスのファンド「SOMPO123先進国株式」は買いか

証券会社情報
昨年12月に信託報酬が業界最安値と言われ運用開始した「SOMPO123先進国株式」ですが、
5月末に月次レポートが公表され、運用状況が明らかになってきました。
ここでは同ファンドの特徴や運用状況から、投資対象にしても良いか管理人個人の目線で触れていきたいと思います。
    • SOMPO123 先進国株式が気になる
    • 他の投資信託との違いは?
    • これって投資しても問題ないか?

確かに信託報酬が人気のインデックスファンドより低いですが、運用1年目ということで実質コストが見えていません

また、アクティブファンドのため、つみたてNISA対象外となっている影響もあり、純資産は約半年で15億です。

悪くないですが、今のところ運用成績次第という印象です。

SOMPO123先進国株式 運用成績

まず、5月のポートから運用成績をチェックします。

SOMPO123 先進国株式 月次運用レポート(SOMPOアセットマネジメント)

単独では運用成績が分かりにくいため、人気インデックスファンド「eMAXIS Slim 先進国株式」と比較しました。

SOMPO123 先進国株式 eMAXIS Slim 先進国株式
日付 基準価格 年初からの比較 基準価格 年初からの比較
1月4日 10,408 20,185
7月8日 10,165 -2.33 19,310 -4.33

どちらも下落していますが、SOMPO123先進国株式のほうが下落率が低くなっています。

その辺りを解析していきたいと思います。

1)国別投資先

SOMPO123先進国株式の比率は以下の通りです。

米国が70%以上
・仏、英、独がそれぞれ4~5%
その他7%に中国、インドが含まれる
SOMPO国別比率
(出典:SOMPOアセットマネジメント)

eMAXIS Slim 先進国株式の比率は以下の通りです。

Slim 先進国株式構成国

SOMPO123では2位(5.5%)のドイツが6位(2.8%)となっていますが、組み込まれている国はほぼ同じですね。

2)投資先上位銘柄

SOMPO123先進国株式の構成銘柄は以下の通りです。

SOMPO123銘柄アップル、マイクロソフトを含むGAFAMが全体の約18%

・米国以外では、オランダの半導体メーカーASML、カナダのエネルギー企業ENBRIDGE INC等が上位10銘柄です。

eMAXIS Slim 先進国株式の構成銘柄は以下の通りです。

eMAXIS Slim 先進国株式構成銘柄

SOMPO123にはテスラが含まれていません。テスラは2021年11月時点では格付けが「BB+」でした。そのため、銘柄に組み込まれなかったようですが、2022年1月には「Ba」となっています。
今後、テスラが含まれる可能性がありますね

3)純資産総額

約15.5億円。6月上旬は一時15.9億まで伸びました。この不安定なマーケットのなか、つみたて

NISA対象外のファンドとしては上々といえるでしょう。

純資産が増えてくると、コストも下がってくるので、今後も注視したいですね。

4)乖離率

MSCIコクサイと比較して、-0.56%の乖離率。多少気になるレベルです。
信託報酬0.077%は魅力で、低コストのアクティブファンドのニーズは確かにあると思います。
ただ、ファンドマネージャーの能力は誰も分からないのと、123銘柄と分散効果が先進国インデックスファンドと比較して弱いです。
MSCIコクサイとの乖離率もやや離れています。
インデックスファンドではないため、仕方ないところです。

5)その他

以下の証券会社で取り扱っています

SBI証券、マネックス証券、auカブコム、松井証券、新生銀行、PayPay銀行

楽天証券では購入できないので注意しましょう。

 

また、123銘柄を選ぶ基準としては、信用格付けが低い企業の株式を投資対象から除外するとのこと。
債券ではBBB(トリプルビー)以上が投資適格企業とされていますが、同じような基準だと思います。

6)なぜ信託報酬を低く設定できるのか

インデックスファンドを運用する運用会社は、
TOPIXやS&P500指数など、『指数を算出している会社』に対して、
指数の使用料を継続的に支払う必要があります。

これをライセンスフィーといいます。

ところが、SOMPO123はアクティブファンドで指数に連動するファンドではないため、ライセンスフィーを支払う必要がありません

今からインデックスファンドを作っても、 eMAXIS Slimシリーズに勝つのは難しいので、
違う観点からファンドを作ってみよう・・・みたいな位置づけなのでしょうか

まとめ

SOMPO123先進国株式について調べてみました。
なぜ信託報酬を低く抑えることができるのか?
ここまでの運用成績はどんな感じか?

といった観点から調べてみました。

・現時点での運用成績は、「eMAXIS Slim 先進国株式」より上回っている
・123銘柄のため分散がやや弱い
・投資不適格企業には投資しない
・アクティブファンドのため、ライセンスフィーを支払う必要がない

といった特徴があります。

しかし、アクティブファンドに投資するなら、信託報酬でなく運用戦略やパフォーマンスをみてファンドをしたいと管理人は考えます

そのため、今のところ購入候補に入っていません。

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