7月20日の日経新聞に2023年上半期の投資信託資金流入ランキングが公開されていました。
確認したところ、インデックスファンドは昨年とあまり変化ありませんでしたが、アクティブファンドはランキングが大きく変わっていました。
昨年1位のファンドが圏外に去り、「インベスコ世界厳選株式オープン」が圏外から一気に1位に躍り出ました。
気になったので調べてみましたので、後半に触れたいと思います。
投資信託 資金流入ランキング
2023年上半期の投資信託資金流入のランキング
まず、2023年上半期の投資信託資金流入のランキングです
ファンド名 | 運用会社 | 資金流入額 (億円) |
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1 | インベスコ | 3,309 | |
2 | 三菱UFJ国際 | 2,977 | |
3 | 三菱UFJ国際 | 2,632 | |
4 | 楽天投信 | 1,049 | |
5 | SBIアセット | 1,017 | |
6 | ピクテ | 886 | |
7 | 大和 | 830 | |
8 | スパークス | 718 | |
9 | 高成長インド・中型株式ファンド | 三井住友DS | 616 |
10 | GSグローバル社債ターゲット2023-06 | ゴールドマン | 600 |
昨年1位だった「AB・米国成長株投信Dコース(為替H無)」がランキングから姿を消し、変わって同じ分配型の「インベスコ世界厳選株式オープン」が1位になりました。
なお、8位の「スパークス・企業価値創造日本株ファンド」および、10位の「GSグローバル社債ターゲット2023-06」は今年新規設定されたファンドです。
参考までに昨年のランキングは以下の通りです。
ファンド名 | 運用会社 | 資金流入額 (億円) |
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1 | AB・米国成長株投信Dコース(為替H無) 予想分配金 | アライアンス | 3,683 |
2 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 三菱UFJ国際 | 3,528 |
3 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 三菱UFJ国際 | 1,809 |
4 | AB・米国成長株投信Bコース(為替H無) | アライアンス | 1,502 |
5 | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | SBIアセット | 1,452 |
6 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | 楽天投信 | 1,438 |
7 | ファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンド | AMOne | 1,386 |
8 | キャピタル・インベストメント・カンパニー・ICA | キャピタル | 865 |
9 | フィデリティ・世界割安成長株 Bコース(為替H無) | フィデリティ | 853 |
10 | ダイワ J-REITオープン(毎月分配型) | 大和 | 772 |
※Quick資産運用研究所より
インデックスファンドが上位にランクイン
昨年ランクインしたアクティブファンドは全てがランク圏外に。
一方、ランクインしたインデックスファンドは昨年と変わりません。
・eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
・eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
・SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
・楽天・全米株式インデックス・ファンド
米国を含む全世界株式強し
投資対象も2012年と2022年で大きく変わっています
2023年 | 2022年 | |
株式型 | 8本 | 9本 |
債券型 | 1本 | 0本 |
REIT型 | 1本 | 1本 |
と株式に人気が集まっています。今年は日本株と新興国株もランクインしましたが、米国と全世界株式は人気ですね。
インベスコ世界厳選株式オープンはなぜ人気がある?
「インベスコ世界厳選株式オープン」は世界の株式のうち、「成長」「配当」「割安」の3つの観点から厳選した40〜50銘柄に投資するファンドです。
インベスコ 世界厳選株式ファンドの目的は、日本を含む世界各国の株式を主要投資対象とし、長期的な成長を目指す積極的な運用を基本としています(ただし、エマージング国は除く)。このファンドの特色は以下の通りです。
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グローバルなバリュー・アプローチ:マザーファンドを中心に、日本を含む世界各国の株式から、独自のバリュー・アプローチを用いて、グローバル比較で見た割安銘柄を厳選して投資します。
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ボトムアップ・アプローチ:銘柄選択には独自の財務分析、経営力、ビジネス評価などのファンダメンタルズ分析と株価の適正水準評価に基づくボトムアップ・アプローチを採用します。
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為替リスクへの対応:為替変動リスクについては、2つのファンドがあります。<為替ヘッジあり>では、実質外貨建資産に対して、原則として円での為替ヘッジを行い、リスク低減を図ります。一方、<為替ヘッジなし>では、円での為替ヘッジを行いません。
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定期的な分配:原則として毎月23日(休業日の場合は翌営業日)に分配を行いますが、分配対象額が少額の場合は分配されない場合もあります。
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ベンチマーク:<為替ヘッジあり>ではMSCIワールド・インデックス(円ヘッジ指数)、<為替ヘッジなし>ではMSCIワールド・インデックス(円換算指数)をベンチマークとして採用します。
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運用委託:インベスコ・アセット・マネジメント・リミテッド(英国、オックスフォードシャー)に、マザーファンドの運用指図に関する権限を委託します。
※目論見書から抜粋
信託報酬は、1.903%で、ここはもう少し頑張って欲しいです。
信託財産留保額は、0.3%。これは解約手数料みたいなもので、仕方ないか。
購入手数料は、3.3%ですが、一部ネット証券等では発生しません。
ベンチマークに日本を含む先進国23か国を対象とした指数「MSCIワールド・インデックス(円換算)」を採用しています。
設定から20年以上の運用実績がありますが、この1年間は特に人気が高く、2022年7月の純資産残高が約1,500億円でしたが、2023年7月には7,000億円を超えました。その要因としては、17年1月以降150円以上の分配金を毎月払い出していることが挙げられるでしょう。
また、基準価格が10,000円近辺から大きく下がっていない点も注目です。
毎月分配は本来、その月で儲かった部分を配当すれば良いが、儲かった部分以上を配当している(タコ足配当と言われ元本を払い戻している)ファンドが多い。その場合、元本まで配当しているので、どんどん元本が減少し、運用効率が非常に悪くなります。
このファンドの場合、そうはならずに、20年超も毎月分配金を出しながら、元本はほとんど払い戻ししていない珍しい運用のファンドです。
※インベスコ世界厳選株式オープン 交付目論見書より
ただ「インベスコ世界厳選株式オープンファンド(毎月決算型)」は毎月決算型のため、新NISA(つみたて投資枠、成長投資枠)の対象とはなりません。
新NISAで同ファンドを運用したい方は、年1回決算型であれば成長枠投資の対象リストに入っておりますので、そちらで運用を検討してみてください。
一方、昨年の上半期流入額1位の「AB・米国成長株投信Dコース」は、2020年6月のコロナショック後から2022年1月までは、毎月200円以上の分配金を払い出しています。
ところが、2022年2月以降は0円~200円と分配金が不安定になりました。
これは、予想分配金提示型という基準価格に応じて受け取れる分配金が変動するタイプであることが理由です。
管理人が投資するファンド
「インベスコ世界厳選株式オープン」は人気あるファンドですが、個人的には、「成長」と「割安」、グロースとバリューを狙うという点に違和感があります。基本的に成長企業というのは割高ですから。
管理人が投資するファンドは幾つかあります。現在も積立投資を継続しているのは以下のファンドです。
・eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
昨年まで積立投資は、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」でしたが、今年の世界情勢の変化、地政学リスクを考慮し地域と銘柄の分散を実施しました。
ちなみに、当初「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を選択したのは、資産形成目標により早く近づけたいという理由からでした。S&P500があまりにも良い時期が続いたことも影響しました。
2023年は、米国で景気後退懸念、インフレ高止まり懸念、企業業績懸念から景気後退が起こると言われていました。しかし、フタを開けるとハイテク株を含め大幅高になりました。株式相場を読むことはほぼ不可能だと思います。
5年、10年先を考え、S&P500やナスダック100のような米国株を代表する株価指数、時間の分散、銘柄の分散を持って投資、または追加投資を行うことを検討されてはいかがでしょうか。もちろん全世界株も選択肢に入ります。
まとめ
2023年上半期の投資信託資産流入ランキングと1位のインベスコ世界厳選株式オープンファンドについて触れました。分配金を払い出すアクティブファンドは入れ替わりが激しいものの、インデックスファンドの上位は入れ替わりなく安定した人気があることが読み取れました。
来年はいよいよ新NISAが始まりますが、どのようなランキングになっているのでしょうか?
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