クレジットカード積立投資について
近年、金融機関や証券会社がクレジットカードを用いた積立投資サービスを展開しています。
メリットは幾つかありますが、積立額に応じてカードのポイントを獲得できることが、利用者にとって最も魅力になっています。
また、少額から気軽に投資を始められる点も人気の理由となっています。
積立投資は設定さえすれば機械的に投資信託を購入できるので、売買のタイミングを見計らう必要がありません。
毎月コツコツと積み立てる方法を「ドルコスト平均法」と言いますが、この方法であればリスクを軽減できるので初心者の方にピッタリなのです。
2018年はつみたてNISAが始まった年であり、同年8月にtsumiki証券、同年10月に楽天証券がクレジットカードによる積立投資サービス開始しました。
2021年にはSBI証券、2022年に入ってからマネックス証券、auカブコム証券も相次いでサービス開始したことで、何処が良いか分からない方もいると思います。
加えて2025年には出遅れていた松井証券が5月からサービス開始予定です。
そこで、主な証券会社のクレカ積立投資サービスを比較してみました。
【簡易版】クレカ積立サービス比較表
クレカ積立サービス開始当初に比べ還元条件が複雑になってきたので、まず基本条件を整理します。
証券会社 | 対応クレカ | 対応ポイント | 還元ポイント率 |
SBI証券 | 三井住友カード(NL)
Olive |
Vポイント | 0.5% (クレカ以外の年間利用10万円以上) |
三井住友カード(NL)ゴールド
Olive ゴールド |
0.75% (クレカ以外の年間利用10万円以上) 1.0% (クレカ以外の年間利用100万円以上) |
||
三井住友カード プラチナ |
1.0%(クレカ以外の年間利用300万円未満) 2.0%(クレカ以外の年間利用300万円以上) |
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三井住友カード プラチナプリファードOlive プラチナプリファード |
1.0%(クレカ以外の年間利用300万円未満) 2.0%(クレカ以外の年間利用300万円以上) 3.0%(クレカ以外の年間利用500万円以上) |
||
東急カード | TOKYU POINT | 0.25~3.0% | |
東急ゴールドカード | 0.75~3.0% | ||
タカシマヤカード | タカシマヤポイント | 0.3~0.5% | |
アプラスカード | アプラスポイント | 0.5% | |
アプラスゴールドカード | 1.0% | ||
UCSカード | Uポイント | 0.5% | |
大丸松阪屋カード | QIRA(キラ)ポイント | 0.25% | |
大丸松阪屋ゴールドカード | 0.5% | ||
オリコカード | オリコポイント | 0.5% | |
楽天証券 | 楽天カード | 楽天ポイント | 0.5% |
楽天ゴールドカード | 0.75% | ||
楽天プレミアムカード | 1.0% | ||
楽天ブラックカード | 2.0% | ||
マネックス 証券 |
マネックスカード | マネックスポイント | 0.73〜1.1%(課税口座) 1.1%(NISA口座) |
dカード | dポイント | ||
dカード GOLD | |||
dカード PLUTINUM |
2.73〜3.1%(課税口座) 3.1%(NISA口座) |
||
三菱UFJeスマート証券 | au Payカード | Pontaポイント | 0.5% |
au Pay ゴールドカード |
1.0% | ||
松井証券 | JCB カード S JCB カード W JCB カード W plus L その他オリジナルシリーズの一般カード |
Oki Dokiポイント | 0.5% (クレカ以外の利用5万円以上) |
JCBゴールド JCBゴールド ザ・プレミア JCBプラチナ JCBザ・クラス |
松井証券ポイント | 0.5% (クレカ以外の利用5万円未満) 1.0% (クレカ以外の利用5万円以上) |
各社ごとに順番に見ていきましょう
SBI証券
SBI証券は、2021年6月から三井住友カードによるクレカ積立投資サービスを開始しました。
2025年4月時点、SBI証券は様々なクレジットカードでクレカ積立ができますが、中でもおすすめは三井住友カードです。
還元率は0.5~3.0%で、Vポイントも使い勝手が良いからです。
ただし、前年のカード利用額が10万円以下だと還元率が0%に落ちてしまうのが欠点です。
なお、付与されるVポイントはポイント投資対象となっています。
このようにクレカ積立によるポイントは、他の証券会社に比べ低めですが、
投資信託を保有することで得られる投信マイレージポイントサービスに関しては、他の証券会社より高めになっています(主要インデックスファンドの場合)
楽天証券
クレカ積立投資サービスを広めたといってもいい楽天証券は他社と異なる戦略です。
一時期、楽天証券が受け取る販売手数料が年率0.4%未満の場合、還元ポイントは現行の1%から0.2%に下がりましたが、新NISAによる囲い込みを意識してか、
現在は販売手数料が年率0.4%未満の場合は0.5%(一般カードの場合)、それ以上の場合は1%の還元率となっています。
クレカ積み立てと別に楽天キャッシュによる月5万円の投信積立で、毎月最大500ポイントを獲得できます。
また、楽天証券は投資信託の保有ポイントも、毎月付与から一定額に達した際の一度きりの付与に変わります。
【投資信託資産形成ポイント】ポイント進呈条件の変更に関するお知らせ(楽天証券)
ただし、楽天プラスシリーズに関しては保有残高に応じて楽天ポイントを毎月の対象です。
マネックス証券
マネックス証券のクレカ積立投資サービスは、マネックスカード、dカードによるクレカ積立で最大3.1%のポイント還元となりました。還元率だけ考えれば、他社よりやや高めです。
ただ、3.1%はdカードPLUTINUMのみ対象なので、ここではその他カードについて触れます。
また、マネックス証券の場合、NISA口座での積立はポイント還元率が一律1.1%ですが、課税口座の場合は、積立額により還元率が変わり、
5万円以下は1.1%、5万円から7万円以下は0.6%、7万円以上は0.2%となり、10万円満額積み立てる場合は、0.73%となります
また、マネックス証券
マネックス証券にも投信保有ポイント付与があります。人気のインデックスファンドでは年率0.03%とSBI証券よりやや低い付与率となっています。
三菱UFJeスマート証券(auカブコム証券)
三菱UFJ eスマート証券(auカブコム証券)のクレカ積立投資サービスはシンプルです。
au Payカードで0.5%、au Payゴールドカードで1.0%の基本ポイント還元となりました。
三菱UFJ eスマート証券もauマネ活プラン+に加入すると、最大3%の還元率になります。他のメリットと併せて加入するか検討するのが良いです。
投信保有ポイントは、人気のインデックスファンドでは年率0.005%と
他社に比べて低い付与となっています。
ただ、三菱UFJ eスマート証券に変わりKDDIの資本関係が薄くなったため、いずれau Payカードから三菱UFJカード積立に変わる可能性があります。
松井証券
松井証券も2025年5月からJCBカードを利用したクレカ積立投資サービスを開始します。
クレカ積立サービスを2025年5月より提供開始! キャンペーン適用で積立金額の最大7.0%をポイント還元!(松井証券)
ポイント還元率はクレカの種類と利用金額によって変わり、一般カードはクレカ積み立て以外で5万円以上の利用すると0.5%、ゴールドカード以上は0.5%が基本で、クレカ積み立て以外で5万円以上の利用すると1.0%のポイント還元率です。
併せて、サービス開始とともにキャンペーンが開始され、条件に該当すると最大7%のポイント還元になります。
投信保有ポイントは、人気のSlimオルカンでは年率0.0175%、Slim米国株式(S&P500)では年率0.028%とSBI証券と同等となっています。
どの証券会社を選ぶと良いか?
証券会社が還元・付与するポイントは、いずれ無くなる制度だと捉えています。
ポイントは意識せず自分が使いやすい証券会社を選ぶことをお勧めします。
三菱UFJ eスマート証券は、カブドットコム証券時代に開設しましたが、開設当時は手数料が高いと感じていたので、現在は未使用です。
管理人はSBI証券をメイン、楽天証券をサブで使っています。
これから投資を始める方は、長く投資を続けることを前提に選ぶようにしましょう
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