先月、金融広報調査委員会から毎年行われている「家計の金融行動に関する世論結果」が公表されました。
この調査は、家計や生活設計などの状況を把握し、金融に関する知識や判断力を身につけることの大切さを広報することことが目的となっています。
調査期間は2021年9月で、今回から調査対象が高齢化の影響か、70代まで拡大されました。そのため、過去の数値とは異なる傾向にあるようですが、最近のトレンドを知るうえで参考になるデータです。
主な項目を見てみましょう
金融資産の保有状況
コロナ禍でしたが、単身世帯、2人以上世帯とも資産を増やしています。
単身世帯は平均1,062万円の資産を保有、昨年より400万以上の増加となっています。
この理由の一つは、先に述べた通り調査対象が70代まで拡大されたことです(この国は高齢者のほうが資産を保有している傾向のため)
ちなみに昨年までと同じ70歳未満で比較しても、250万近い増加となっています。
なお、表中の折れ線グラフは中央値で100万、こちらのほうが実感に近いのではないでしょうか。
(家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和3年調査結果より)
なお、二人以上の世帯で比較しても、同じような傾向になっています。
こちらは平均1,563万円の資産を保有、昨年より約130万の増加となっています
資産が増えた?減った?
2020年と比較して資産が増えたのか、減ったのか、回答がありました。
コロナ禍のなか、単身世帯で資産増えたと回答した方が40%を超えています。
(家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和3年調査結果より)
次に2人以上の世帯です。
(家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年調査結果より)
単身者よりやや割合が低いですが、2人以上の世帯では、資産が増えたと回答した世帯が35%を超えました。
資産が増えた理由
資産が増えた人は何故増えたのか、回答がありました。
多くの回答が2020年の割合を下回るなか、大きく割合が上回ったのは
株式・債券価格の上昇による評価額の増加
でした。
昨年のマーケットは国内・米国を含む世界とも非常に好調だったので、
株式・債券を保有しているだけで、資産を増やせたことになります。
逆に言うと、マーケットが良くないときは、資産が減っていたかもしれないということ(ここ重要!)
(家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和3年調査結果より)
2人以上の世帯でも傾向は変わらず、株式・債券の評価額増加を利用と考える世帯が多いです。
(家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年調査結果より)
調査結果を受けて
先に述べましたが、資産増加理由の占める割合に、株式・債券評価額増加が挙がっているということは、減少することもあるということ。
そして、様々な事態を想定しておく必要があるということ。
具体的には、給与所得が減少するかもしれないので、他の所得を手に入れられるようにすること。生活資金・投資資金をある程度キャッシュを確保しておくこと等です。
その他にも、この調査は金融関連のトレンドを知ることができます。
興味があれば、一読してはいかがでしょうか
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